ヒアルロン酸、どれくらいもつ?
「ヒアルロン酸って、どれくらい持ちますか?」
美容治療のカウンセリングで、よくいただくご質問のひとつです。
ですが、この「持つ」という言葉、実は人によって意味が違うのをご存知ですか?
【製剤によって持続期間はまったく違う】
まず前提として、ヒアルロン酸製剤の種類によって持続期間は大きく異なります。
製剤会社が発表している「効果の持続期間」(※もちろん個人差あり)でも、
数ヶ月で吸収されるものから約2年持つとされているものまで、実にさまざまです。中には「それ以上持つ」と言われている製剤もありますが、それらは“ヒアルロン酸以外の成分”が混ざっていることも多く、今回は【純粋なヒアルロン酸製剤】に限定してお話しします。
【「ヒアルロン酸が残っている=結果が持っている」ではない】
ここで大切なのが、患者さんが求めている「持続」と、製剤の「持続期間」は必ずしも一致しないということです。
たとえば──
あごにヒアルロン酸を入れた場合、
注入直後は理想の形だったのに、数週間後には形が崩れてしまった。
こうなると、たとえ体の中にヒアルロン酸そのものは残っていたとしても、
患者さんからすれば「全然持たなかった」と感じます。
つまり、“どれくらい結果が保たれるか”が、患者さんにとっての「持ち」なんですよね。
【「結果の持続」は、製剤選びと注入技術に左右される】
同じヒアルロン酸でも、
- ・どんな性質の製剤を使うか
- ・どこに、どの層に、どのように注入するか
によって、「形が保たれる期間」はまったく変わります。
たとえば、
比較的硬くて立体を保ちやすい製剤を、骨の近くにしっかり固定するように注入すると、
1年以上、良い形をキープできることもあります。
ただし、「硬いから良い」「立体を保ちやすいから万能」というわけではありません。
- ・注入部位
- ・皮膚の厚みや質感
- ・目指す仕上がりの雰囲気
によっては、柔らかく馴染みやすい製剤を使った方がナチュラルに仕上がる場合もあります。
お顔の状態やご希望に応じて、
製剤の選び方や注入の設計はまったく変わってくるのです。
【効果の“持ち”は見極め次第】
どこに、どれだけ入れるか。
その見極め次第でも、持ちの良さは変わります。
たとえば、先ほども出てきたあごの例。
あごがもともと小さい方に、いきなり硬い製剤を大量に注入すると…
直後は良く見えても、数週間後には形が崩れてしまうことがあります。
これは、製剤の選び方と注入量のバランスが大切ということ。
- ・硬すぎる製剤や大量注入は、圧力に負けて位置がズレてしまうことも。
- ・一方で、最初からしっかり入れても安定しやすい骨格の方もいらっしゃいます。
つまり、
その方にとって適した製剤を、適した量で少しずつ丁寧に注入することが、
持ちの良さにもつながっていくのです。
【ヒアルロン酸は、“ただ入れる”だけの治療ではありません。】
お一人おひとりに合わせて、
注入する量、場所、製剤の種類、皮膚の状態……
細やかに見極めながら設計していくオーダーメイドの治療なのです。
まとめると、
- ・ヒアルロン酸の「持ち」は、製剤によって大きく異なる
- ・「結果がどれくらい保たれるか」が、患者さんにとっての本当の“持続”
- ・製剤選びと注入技術によって、仕上がりのもちが大きく変わる
「ヒアルロン酸って、どれくらい持ちますか?」
この質問の本当の答えは、
「目的と注入の設計によって変わります」
だからこそ、しっかりカウンセリングで一緒にお話ししましょう。
★たがやクリニック 注入治療(ヒアルロン酸、ボトックス®︎)専門、内科併設
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