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尿路結石を予防するために気をつけたい食べ物とは?〜チョコレートやコーヒーはOK?〜

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尿路結石を予防するために気をつけたい食べ物とは?〜チョコレートやコーヒーはOK?〜

尿路結石は、腎臓から尿管、膀胱、尿道に至る尿路のどこかに石(結石)ができてしまう病気です。特に男性に多く、強い腰背部痛で発症することも多いですが、健診などで偶然発見されるケースもあります。

なかでも「シュウ酸カルシウム結石」は最も頻度が高く、食生活と密接に関係していることがわかっています。この記事では、尿路結石の予防のために控えた方がよい食べ物や、意外と知られていない注意点について解説します。

 

シュウ酸カルシウム結石の原因となる食べ物

尿路結石の約80%は「シュウ酸カルシウム結石」です。これは尿中のシュウ酸とカルシウムが結合してできる結石で、特定の食品が関与しています。

シュウ酸を多く含む代表的な食品:

  • ほうれん草

  • チョコレート

  • 紅茶

  • ナッツ類(特にアーモンド、ピーナッツ)

  • たけのこ、さつまいも、里芋 など

これらの食品を摂りすぎると尿中のシュウ酸濃度が高くなり、結石のリスクが増します。特に脱水や、食事からのカルシウム摂取が不足しているときは要注意です。

 

チョコレートは尿路結石に悪いの?

チョコレートにはシュウ酸が比較的多く含まれており、摂取しすぎると尿路結石のリスクを高める可能性があります。とくにブラックチョコレートやカカオ分の高い製品は注意が必要です。

ただし、「絶対に食べてはいけない」というわけではなく、量と頻度の調整が大切です。週に少量楽しむ程度であれば、大きな問題にはならないでしょう。

 

コーヒーを飲むときの注意点とは?

コーヒー自体にも微量のシュウ酸が含まれていますが、適度な摂取(1日1~2杯程度)であれば、むしろ結石リスクを下げるという報告もあります。

ただし、ブラックで飲みすぎると利尿作用によって尿が濃くなり、結石ができやすくなる場合も。牛乳やミルクを加えることでカルシウムを一緒に摂取できるため、尿中のシュウ酸を減らす効果が期待できます。

 

カルシウムの摂りすぎは問題?

「カルシウム=結石の原因」と思われがちですが、実は逆です。食事から適量のカルシウムを摂取することで、腸内でシュウ酸と結合し、体内への吸収を抑える効果があります。

ただし、サプリメントなどによる過剰なカルシウム摂取は逆効果になることもあるため、注意が必要です。

牛乳やチーズなどの乳製品から1日700〜800mg程度のカルシウム摂取を目安にしましょう(成人の推奨量)。

  • Taylor EN, Curhan GC. Diet and fluid intake in the prevention of kidney stones. Curr Opin Nephrol Hypertens. 2009 Mar;18(2):310-4.
    → 適度なカルシウム摂取が尿中シュウ酸濃度を下げ、結石予防に有効と報告。

  • Ferraro PM et al. Dietary calcium intake and risk of kidney stones. JAMA Intern Med. 2013;173(6):515–521.
    → 食事由来のカルシウム摂取は尿路結石リスクをむしろ下げる可能性がある。

ビタミンD製剤を内服中の方へ:高カルシウム尿に注意

骨粗鬆症治療の一環で、ビタミンD製剤(エルデカルシトール、アルファカルシドールなど)を使用している方も多いと思います。これらは腸管からのカルシウム吸収を促進する作用があるため、過剰に内服していると血中カルシウムや尿中カルシウムが高くなり、結石のリスクが上がる可能性があります。

特に尿検査でカルシウム値が高いと指摘された方は、主治医に一度ご相談ください。

 

日進市のたがやクリニックへご相談ください

尿路結石の予防には、水分摂取の増加とともに、食事内容の見直しが重要です。以下のポイントを意識しましょう。

  • シュウ酸を多く含む食品の摂りすぎに注意

  • チョコレートやコーヒーは量と飲み方に配慮

  • カルシウムは「食事から適量」が理想

  • 骨粗鬆症治療中の方はカルシウム・ビタミンD製剤の影響にも注意

気になる症状や尿検査の異常などがある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。


たがやクリニックでは、腎臓内科・生活習慣病の専門医が、尿路結石の予防や食事指導についても丁寧に対応しています。日進市・長久手市・東郷町・みよし市など周辺地域からもご来院いただいております。

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