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甲状腺機能低下症とは?~疲れやすさ・むくみの裏に潜むホルモン異常と注意点

内科  / 内科一般

「甲状腺機能低下症とは?~疲れやすさ・むくみの裏に潜むホルモン異常と注意点」


はじめに:体のだるさ、もしかして「甲状腺」の不調かも?

最近、なんとなく疲れやすい、顔や足がむくむ、気分が落ち込みやすい…。
こうした症状の原因が「甲状腺機能低下症」であることをご存じですか?
甲状腺ホルモンは体の代謝を調整する大切なホルモン。この分泌が減ると、体のあらゆる機能が低下してしまいます。


甲状腺機能低下症とは?

「甲状腺機能低下症」とは、甲状腺ホルモンが不足することで代謝が落ち、さまざまな不調が現れる病気です。
代表的な原因のひとつが「橋本病(慢性甲状腺炎)」で、これは自己免疫の異常により甲状腺がじわじわと壊されていく病気です。特に40~60代の女性に多くみられます。


症状:ゆっくりと忍び寄る不調

  • 疲れやすい・倦怠感

  • むくみ(特に顔や手足)

  • 体重増加

  • 寒がり

  • 肌の乾燥

  • 便秘

  • 抜け毛

  • 月経異常、不妊

  • 抑うつ傾向、記憶力の低下

こうした症状は加齢やストレスと勘違いされやすく、診断が遅れやすいのが特徴です。


他の膠原病との関連にも注意

橋本病を含む甲状腺疾患は、全身性エリテマトーデス(SLE)やシェーグレン症候群などの他の膠原病に合併しやすいことが知られています。
「口が乾く」「関節が痛む」など、気になる症状がある場合は、甲状腺機能だけでなく膠原病の評価も併せて行うことが大切です。


診断方法

当院では以下のような検査を行います:

  • 血液検査:TSH(甲状腺刺激ホルモン)、FT4、FT3

  • 抗体検査:抗TPO抗体、抗サイログロブリン抗体(橋本病の有無)

  • 頸部超音波(エコー)検査

2024年の「甲状腺疾患診療ガイドライン」では、軽度の異常でも症状や妊娠希望の有無によって治療介入を検討することが推奨されています。


治療:毎日の内服でしっかりコントロール

甲状腺ホルモンを補うレボチロキシン(T4製剤)を1日1回内服するのが基本です。
症状の改善には数週間かかることもありますが、継続することで多くの方が日常生活を取り戻しています。


うがい薬にも注意?

ヨウ素(ヨード)を含むうがい薬の使用は、甲状腺に影響を与えることがあります。
とくに甲状腺機能低下症がある方や橋本病が疑われている方は、医師に相談のうえ、継続使用を検討する必要があります。


よくあるご質問

Q. 空腹感がないのに太るのはなぜ?

A. 代謝が落ちてエネルギー消費が減っているためです。

Q. 不妊症や流産と関係あるの?

A. はい。甲状腺ホルモンの乱れは妊娠・出産に大きく関係します。


気になる症状があれば、日進市のたがやクリニックへ

甲状腺機能低下症は、適切に診断され、治療されれば十分にコントロール可能な病気です。
日進市をはじめ、長久手市・東郷町・みよし市エリアの皆さまも、お困りの症状がある場合は、どうぞお気軽にたがやクリニックにご相談ください。

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