「美容医療は魔法のようで、魔法ではない」——たかがヒアルロン酸1cc、されど1cc
「ヒアルロン酸を1本入れたら、顔が激変しますか?」
そんなふうに聞かれることがあります。
確かにSNSなどでは、「ビフォーアフター」が大きく変わって見える投稿も多く、
まるで魔法のように思えるかもしれません。
でも——
美容医療は、魔法ではありません。
【ヒアルロン酸1ccでできることは、“1cc分”だけ】
たとえばヒアルロン酸1ccは、小さじ1の1/5というすごく少ない量。
この1ccで、すべての悩みを解決することはできません。
・あごを少し出す
・頬のこけをほんのり改善する
・ほうれい線を浅くする
どれか一つ、または二つに少しだけ変化を加えられるかどうか。
そのくらいが“リアルな変化”です。
【“激変”の裏にある、アンバランスなリスク】
「1本でこんなに変わる!」という劇的な変化がもしあるなら、
その変化には、どこかに矛盾や不自然さが生じている可能性があります。
・バランスが崩れている
・動きが不自然になっている
・将来的に崩れたり、修正が難しくなったりする
これらは変化を出すために、顔全体のバランスをあまりみずに1箇所だけに注入したり、見かけの変化を優先して浅い層に多くの量を入れてしまったが故に顔の動きをブロックしたり、時間と共に重みで崩れてくる‥
”オーバーフィラー(入れすぎ)”が話題になる今だからこそ、
「変化を求めすぎないこと」も、美容医療の大切な姿勢の一つです。
【たかが1cc。されど、その1ccにどれだけこだわれるか】
私たち施術者にとって大切なのは、
このたった1ccを、どこに・どの深さで・どんな意図を持って入れるかという判断。
1ccでも、
輪郭の印象を変えたり、疲れた印象をふわっと軽くしたり、
メイクのノリが変わったりすることがあります。
「気づかれないけど、自分にはわかる」
そんな小さな変化が積み重なることで、
「最近、なんかいい感じ」と思える自分になっていく。
それは、一度で劇的に変えるよりも、ずっと意味のある変化だと私は思います。
【少しずつ、変わっていけばいい。】
美容医療は、急激な変化を追い求めるものではありません。
小さな変化を積み重ねて、“ちょっと好きな自分”を増やしていくこと。
それが、無理のない・バランスの取れた美しさへとつながっていきます。
そして実は、
10cc以上のヒアルロン酸を使用するケースでも、ナチュラルに仕上げることは可能です。
大切なのは「量」ではなく、“どう使うか”。
丁寧にデザインし、目的やゴールを明確にしたうえで、全体を見ながら調和を取っていけば、
多くのヒアルロン酸を使っても、不自然になることはありません。
【本当の美しさは、違和感のなさの中にある】
美容医療のゴールは、“美しくなること”ではなく、
“自分が自分を好きでいられること”だと私は思っています。
無理のないペースで、自然に、丁寧に。
その人らしいバランスや空気感を大切にしながら、
一緒にその1ccを、意味ある1ccにしていきたい。
たかがヒアルロン酸1cc。
でも、その1ccが——
あなたの表情をやわらかくして、自信を持つきっかけとなり、
毎日を少し明るくするかもしれません。
★たがやクリニック 注入治療(ヒアルロン酸、ボトックス®︎)専門、内科併設
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