TOPへ

ブログ

【年齢のせいではありません】マルチモビディティ(マルモ)とは?〜複数の病気と上手に付き合う医療へ〜日進市・長久手市・みよし市・東郷町

内科  / 内科一般

【年齢のせいではありません】マルチモビディティ(マルモ)とは?〜複数の病気と上手に付き合う医療へ〜日進市・長久手市・みよし市・東郷町

 

マルチモビディティ(Multimorbidity)とは何か

マルチモビディティ(Multimorbidity)とは、
一人の患者さんが、同時に複数の慢性疾患を抱えている状態を指します。
日本では略して「マルモ」と呼ばれることもあります。

例えば、

  • ・高血圧と糖尿病

  • ・糖尿病と脂質異常症

  • ・慢性腎臓病(CKD)と心疾患

  • ・関節疾患と抑うつ、不眠

といったように、特別なことではなく、むしろ日常診療で非常に多くみられる状態です。

 

マルチモビディティは高齢者だけの問題ではない

マルモは「高齢者の話」と思われがちですが、
近年では40〜50代からマルチモビディティを抱える方も増加しています。

背景には、

  • ・生活習慣病の若年化

  • ・ストレスや睡眠障害

  • ・運動不足

  • ・社会的要因(仕事・介護・孤立)

などが複雑に関与しています。

 

なぜマルチモビディティが医療で重要視されているのか

医療の進歩により、それぞれの病気は「治療できる」時代になりました。
しかし、病気を一つずつ別々に診る医療には限界があります。

マルモで起こりやすい問題

  • ・診療科ごとに薬が増える(ポリファーマシー)

  • ・治療方針がバラバラになる

  • ・患者さんの生活背景が置き去りになる

  • ・「何を優先すべきか」が分からなくなる

そのため現在の医療では、
「病気の数」ではなく「人全体」を診る視点が重視されています。

 

マルチモビディティとポリファーマシーの関係

マルモと切っても切れないのが、ポリファーマシー(多剤併用)です。

多剤併用によるリスク

  • ・副作用の増加

  • ・転倒・ふらつき

  • ・腎機能・肝機能への負担

  • ・服薬管理が困難になる

専門医の立場からは、
「薬を減らすこと=治療をやめること」ではなく、「最適化すること」が重要と考えています。

 

マルチモビディティ診療で大切な考え方

病気中心から「生活中心」へ

マルモ診療では、

  • ・数値だけを追わない

  • ・生活の質(QOL)を重視

  • ・患者さんの価値観を尊重

することが欠かせません。

優先順位を一緒に考える医療

すべてを完璧に治そうとするのではなく、

  • ・今一番つらい症状は何か

  • ・将来のリスクをどう下げるか

  • ・無理なく続けられる治療か

患者さんと一緒に整理することが、マルモ診療の核心です。

 

マルチモビディティは「通院の仕方」も重要

複数の医療機関に通っていると、

  • ・情報が分断される

  • ・検査や薬が重複する

といった問題が起こりやすくなります。

そのため近年は、
かかりつけ医を中心とした医療連携が強く推奨されています。

 

日進市のたがやクリニックが考えるマルチモビディティ診療

日進市のたがやクリニックでは、

  • ・複数の慢性疾患をまとめて評価

  • ・薬の整理・見直し

  • ・生活習慣・食事・運動の現実的提案

  • ・必要に応じた専門医・病院との連携

を行い、「通院が増えるほど不安になる医療」から「安心できる医療」へを目指しています。

 

このような方はご相談ください

  • ・複数の病気で通院している

  • ・薬が増えすぎて不安

  • ・何を優先すべきか分からない

  • ・「年齢のせい」と言われて諦めている

マルチモビディティは、正しく向き合えば生活の質を改善できる状態です。

予約(当日予約いただけます)

甲状腺とコレステロールの深い関係 ― LDLが高い時は“甲状腺機能”もチェックを

ロキソニンは腎臓に悪い? ~痛み止めと腎臓病の関係を日進市の腎臓専門医が解説~

夜間頻尿の原因は実は睡眠時無呼吸症候群?

眠れない・中途覚醒・夜間頻尿でお悩みの方へ~睡眠障害と生活習慣病の関係