【糖尿病】発症時に体重が減るのはなぜ?~日進市・長久手市・みよし市・東郷町の皆さまへ~
【糖尿病】発症時に体重が減るのはなぜ?~日進市・長久手市・みよし市・東郷町の皆さまへ~
「最近、食事量は変わらないのに体重が減ってきた」
「たくさん食べているのに痩せていく…」
そんな時、糖尿病(特に初期~未診断の状態)が関係していることがあります。
糖尿病というと「太る」「生活習慣病」といったイメージを持たれがちですが、実は発症初期に体重が減るケースも珍しくありません。
今回は、糖尿病で体重が減る理由と、その背景にある体のメカニズムを、専門医の視点から分かりやすく解説します。
糖尿病とは? ― 血糖をうまく使えない病気
糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる病気です。
血糖を細胞の中へ取り込む働きをするのがインスリンというホルモンですが、これが「足りない」「うまく効かない」ことで、体内の糖代謝が乱れます。
糖尿病は大きく以下の2つに分けられます。
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・1型糖尿病:インスリンを分泌する膵臓の細胞が壊れてしまう病気
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・2型糖尿病:インスリンは出ているが、体がうまく反応しない「インスリン抵抗性」があるタイプ(生活習慣や遺伝の影響が大きい)
 
どちらのタイプでも共通して、ブドウ糖がエネルギーとして使えない状態になることが問題の本質です。
なぜ糖尿病で体重が減るのか?
血液中にはブドウ糖が十分あるのに、細胞がそれを使えない。
この“矛盾”が糖尿病による体重減少の原因です。
では、体の中でどんなことが起こっているのでしょうか。
① エネルギー不足で筋肉や脂肪を分解してしまう
インスリンが働かないと、細胞がブドウ糖を取り込めません。
そのため、体は代わりのエネルギー源として筋肉(タンパク質)や脂肪を分解してエネルギーを作ろうとします。
この状態が続くと、筋肉量や脂肪量が減少し、体重が落ちていくのです。
特に1型糖尿病ではこの反応が強く、短期間で急激に痩せることもあります。
② 尿に糖が出てしまう(糖尿)
血糖が高くなりすぎると、腎臓が糖を再吸収しきれず、尿に糖が漏れ出すようになります。
糖は1gあたり約4kcalのエネルギー源ですから、これが尿とともに排出されると、エネルギーをどんどん失ってしまうことになります。
この「尿糖排出」が続くことで、体重はさらに減少します。
③ 脱水と電解質バランスの乱れ
高血糖状態では、血液の中の糖が水分を引きつけるため、尿量が増えます(浸透圧利尿)。
その結果、脱水が進み、体重も減少します。
特に口の渇きや多飲・多尿を伴う場合は、典型的な糖尿病のサインです。
「食べているのに痩せる」――それが糖尿病のサイン
糖尿病の初期は自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行していることも多い病気です。
しかし、体重減少は数少ない“わかりやすいサイン”の一つです。
次のような症状がある方は、要注意です。
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・食べてもすぐお腹がすく
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・のどが渇いて水をたくさん飲む
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・尿の回数が増えた
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・体がだるい、疲れやすい
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・傷の治りが遅い
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・視力が落ちた、かすむ
 
これらの症状がある場合、血糖値やHbA1cを調べることで早期発見が可能です。
放置するとどうなるの? ― 合併症のリスク
糖尿病を放置すると、全身の血管や神経が少しずつダメージを受けていきます。
その結果、以下のような合併症を引き起こします。
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・糖尿病網膜症:視力低下や失明の原因に
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・糖尿病腎症:腎不全や透析の原因となる
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・糖尿病神経障害:手足のしびれ、感覚低下、足潰瘍
 
また、動脈硬化が進行して心筋梗塞・脳梗塞のリスクも高まります。
初期の段階で治療を始めることで、これらの合併症は防ぐことができます。
体重減少に気づいたら、早めに受診を
「最近、痩せてきたけれどダイエットはしていない」
「服のサイズがゆるくなった」
こうした変化がある方は、ぜひ一度、血糖の検査を受けてください。
早期発見・早期治療によって、糖尿病はしっかりとコントロールできます。
日進市のたがやクリニックへご相談ください
たがやクリニックでは、
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・詳細な血液検査・尿検査
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・食事・運動療法の具体的な指導
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・必要に応じた薬物療法(内服・GLP-1製剤・インスリン治療など)
を組み合わせ、一人ひとりの生活スタイルに合わせた治療を行っています。 
日進市・長久手市・みよし市・東郷町エリアの皆さまに、
「通いやすく、相談しやすい糖尿病クリニック」として寄り添っています。
      