コレステロールの管理目標値は人によって違う? ― 日進市・長久手市・みよし市・東郷町の皆さま ―
コレステロールの管理目標値は人によって違う?
― 日進市・長久手市・みよし市・東郷町の皆さまへ ―
健康診断で「コレステロールが高いですね」と言われたことはありませんか?
同じ“高コレステロール”でも、人によって治療の目標値(ゴール)は違うことをご存じでしょうか。
「自分は薬を飲むべき?」「どこまで下げればいいの?」
そんな疑問に、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022(日本動脈硬化学会)をもとに、専門医の立場から解説します。
コレステロールには「善玉」と「悪玉」がある
血液中のコレステロールには主に2種類あります。
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・LDLコレステロール(悪玉):血管の壁にたまり、動脈硬化を進める
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・HDLコレステロール(善玉):余分なコレステロールを回収してくれる
 
このうち、LDLコレステロールが高いことが問題とされます。
しかし、単に「高い・低い」だけで判断するのではなく、その人の持つ動脈硬化リスクによって目標値が変わります。
管理目標は「リスクに応じて」決まる



(参考:日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」)
たとえば、同じLDL=150mg/dLでも、
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・健康な30代の方なら「経過観察」
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・糖尿病やCKDを持つ方なら「治療対象」
となることがあります。 
動脈硬化リスクを決める因子とは
リスクの高さを判断するには、以下の要素が考慮されます。
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・年齢(男性45歳以上・女性55歳以上)
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・高血圧
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・糖尿病
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・喫煙
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・CKD(慢性腎臓病)
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・冠動脈疾患の家族歴
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・HDLコレステロール低値(40mg/dL未満)
 
これらが多いほど、動脈硬化が進みやすく、目標値はより厳しく設定されます。
生活習慣の改善が基本
まず取り組むべきは、食事・運動・禁煙などの生活習慣改善です。
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・バランスのとれた食事(特に飽和脂肪酸の摂取を減らす)
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・魚や大豆、食物繊維を意識的にとる
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・適度な有酸素運動(ウォーキングなど)
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・禁煙(喫煙はLDL酸化を促進)
 
これらの改善でも十分に効果がある場合も多く、数か月の経過観察で再評価します。
それでも下がらないときは薬の出番
生活改善で十分な効果が得られない場合、スタチン系(HMG-CoA還元酵素阻害薬)を中心とした薬物療法が行われます。
近年では、エゼチミブやPCSK9阻害薬といった新しい薬も利用できるようになりました。
特に冠動脈疾患既往や糖尿病・CKD合併の方では、厳格な管理が推奨されています。
日進市のたがやクリニックへご相談ください
コレステロールの管理は、「数字」だけを追うものではありません。
重要なのは、動脈硬化のリスクを全体として下げることです。
そのため、腎臓病や糖尿病などの持病がある方では、総合的なリスク評価のうえで管理目標を決めることが大切です。
たがやクリニックでは、最新のガイドラインに基づき、個々のリスクに合わせたコレステロール管理を行っています。
必要に応じて循環器内科とも連携し、心血管疾患予防をサポートいたします。
      