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コーヒーと腎臓の関係は?~日進市・長久手市・みよし市・東郷町で健康を考える方へ~

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コーヒーと腎臓の関係は?~日進市・長久手市・みよし市・東郷町で健康を考える方へ~

コーヒーは腎臓に悪い?それとも良い?

コーヒーは「腎臓に悪そう」「利尿作用があるから腎臓に負担をかけるのでは?」といった声をよく耳にします。しかし、近年の研究ではむしろ腎臓を守る可能性が示されています。
抗酸化作用や抗炎症作用をもつカフェインやポリフェノールが豊富に含まれており、生活習慣病や腎臓病のリスクに影響を与えると考えられています。


コーヒー摂取によるCKD(慢性腎臓病)進展抑制効果

最新のメタアナリシス(Kanbay M, J Ren Nutr 2021)では、12の疫学研究・約50万人のデータが解析されました。その結果、

  • 新規CKDの発症リスクが 14%低下(RR 0.86, 95%CI 0.76–0.97)

  • 末期腎不全への進展リスクが 18%低下(RR 0.82, 95%CI 0.72–0.94)

  • アルブミン尿(蛋白尿)のリスクが 19%低下(RR 0.81, 95%CI 0.68–0.97)

  • CKD関連死亡リスクが 28%低下(RR 0.72, 95%CI 0.54–0.96)

と報告されています。
特に1日2杯以上のコーヒーを飲む方では、1杯以下の方に比べて効果が大きく、「適度に飲むことが腎臓にプラスに働く可能性」が示唆されています。

 

CKD患者さんにおけるコーヒーの影響

すでに腎臓病と診断されている患者さんに関しても、カフェイン摂取量が多い人ほど総死亡率が低下するという観察研究(Bigotte Vieira M, Nephrol Dial Transplant 2019)が報告されています。
一方で、心血管病死やがん死との関連は明らかではなく、あくまで「全体的な死亡リスクを下げる可能性」があるという段階です。

 

コーヒーを飲みすぎると尿路結石の原因になる?

コーヒーに含まれるカフェインは利尿作用を持ちます。尿量が増えること自体は結石予防にプラスですが、一方でコーヒーにはシュウ酸が含まれているため、過剰摂取は尿路結石のリスク因子になる可能性があります。
研究では、1日数杯程度であれば結石リスクをむしろ下げるという報告もありますが、5杯以上の大量摂取では逆効果になる恐れもあります。
腎臓病や結石の既往がある方は、「水分摂取をコーヒーだけに頼らないこと」が大切です。

 

コーヒー豆によって腎臓への影響は違う?

レギュラーコーヒーとインスタント

  • ・レギュラーコーヒーにはポリフェノールが多く含まれ、抗酸化作用が強いとされています。

  • ・インスタントコーヒーも手軽に飲めますが、含有成分量はやや少なめです。

カフェインレス(デカフェ)

カフェインを控えたい方でも、デカフェコーヒーにも抗酸化物質はしっかり含まれています。腎臓病や高血圧がある方で「カフェインは控えたいけれどコーヒーを楽しみたい」という場合におすすめです。

焙煎度の違い

浅煎りコーヒーの方がクロロゲン酸など抗酸化物質は多く、腎臓保護効果の点では有利とされています。ただし、苦味や好みとのバランスも大切です。

 

日進市のたがやクリニックへご相談ください

たがやクリニックでは、腎臓病や生活習慣病に関心をお持ちの方の診療を行っています。
「コーヒーはどのくらい飲んでも大丈夫?」「腎臓に良い生活習慣を知りたい」といったご相談もお気軽にお声がけください。

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