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プロバイオティクスの力|腸が全身の臓器とつながる理由とは?

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【日進市・長久手市・みよし市・東郷町】プロバイオティクスの力|腸が全身の臓器とつながる理由とは?

 

プロバイオティクスとは?

プロバイオティクスとは「宿主(人間)に有益な働きをもたらす生きた微生物」を指します。
腸内細菌は100兆個とも言われ、その種類やバランスは個人によって大きく異なります。

現代医学では、腸内細菌の働きは単なる「消化の補助」ではなく、

  • ・免疫調整

  • ・神経伝達

  • ・代謝制御

  • ・ホルモンバランス

  • ・炎症コントロール

といった全身レベルでの恒常性維持に関与している“臓器の一部”と考えられています。

 

腸は「第二の脳」?腸内環境と全身ネットワーク

腸は全身で最も多くの神経細胞を持ち、独自の神経系(腸管神経系)を構築しています。
腸内細菌は、神経伝達物質(セロトニン、GABA、ドーパミン前駆体など)を産生し、脳や自律神経に作用します。

腸内環境の乱れは、

  • ・自律神経の失調

  • ・慢性疲労

  • ・炎症体質

  • ・睡眠障害

の背景にあることも多く、「腸」が全身の健康の中心となる理由です。

 

腸と免疫の深い関係(免疫の60〜70%が腸に存在)

腸は人体最大の免疫器官です。
特に「腸管免疫(GALT)」は、外界から入ってくるウイルス・細菌・食物抗原と常に接しています。

腸内細菌が免疫に与える作用:

  • ・IgA産生をサポートし、粘膜防御を強化

  • ・自己免疫疾患のリスクに影響

  • ・アレルギー体質の改善に関与

腸内環境の乱れが長期化すると、炎症性疾患や感染症に弱い体質にもつながることが明らかになっています。

 

腸と脳(腸脳相関)|メンタルとの科学的つながり

腸と脳は「神経」を介して双方向に情報を交換するため、腸の状態は心理面に強い影響を及ぼします。

腸内細菌が作る物質:

  • ・セロトニン

  • ・GABA

  • ・トリプトファン代謝物

  • ・短鎖脂肪酸(炎症抑制)

不調があると、
・不安が強くなる
・睡眠が浅くなる
・ストレスに弱くなる
といった症状につながる可能性があります。

精神科領域でも、腸内細菌とメンタルヘルスの関連研究は年々増加しています。

 

腸と代謝・肥満・糖尿病の関係

腸内細菌は、

  • ・糖の吸収

  • ・脂質代謝

  • ・インスリン抵抗性

  • ・炎症コントロール

に深く関わります。

特に重要なのが 短鎖脂肪酸(酪酸・酢酸・プロピオン酸)
これらは腸が作る「抗炎症物質」で、代謝改善の鍵となります。

腸内環境の悪化は、

  • ・肥満

  • ・2型糖尿病

  • ・NAFLD(脂肪肝)

  • ・高脂血症

のリスクを上げることが知られています。

 

腸と皮膚(腸―皮膚相関)

腸の炎症は皮膚にも波及します。
腸内細菌のバランスが乱れると、皮膚のバリア機能が低下しやすくなり、

  • ・アトピー性皮膚炎

  • ・乾燥肌

  • ・ニキビ

  • ・蕁麻疹

の悪化因子となります。

腸を整えることは皮膚の炎症を落ち着かせる一助になります。

 

腸と腎臓(腸腎連関)

腸と腎臓は密接に関係しており、近年は 「腸腎連関」 が注目されています。

腎臓病(CKD)では、腸内環境が悪化しやすく、悪化するとさらに腎機能低下を促進する悪循環が知られています。

腸内細菌が関わるポイント:

● 尿毒素(インドキシル硫酸・p-クレジル硫酸)の生成

タンパク質由来物質が腸内細菌によって代謝され、腎臓に負担をかける 尿毒素 が作られます。

腸環境が悪いほど、
➡ 尿毒素が増える
➡ 腎臓の線維化が進む
という悪循環になります。

● 炎症の増悪

CKDでは腸のバリア機能が低下し、腸内細菌が産生する炎症物質が血中に入りやすくなります。

これが全身炎症(慢性炎症)を悪化させ、腎機能にも影響します。

● プロバイオティクスの可能性

研究段階の内容も多いですが、プロバイオティクスの一部(ビフィズス菌・乳酸菌など)は、

  • ・尿毒素前駆物質を減らす

  • ・腸のバリア機能を強化

  • ・慢性炎症の抑制

といった効果が期待されています。

腸のケアは、腎臓病患者さんにとっても重要な「新しい管理アプローチ」になっています。

 

プロバイオティクスとは何をするのか?

  • ・悪玉菌の増殖を抑制

  • ・善玉菌を増やす

  • ・腸の炎症を抑える

  • ・粘膜バリア機能を改善

  • ・便通を調整

  • ・免疫を整える

  • ・代謝改善に寄与

プロバイオティクスは腸の土壌を整える“根本治療”的なアプローチです。

 

 

食事と生活で整える腸内環境

  • ・発酵食品(納豆、味噌、キムチ、ヨーグルト)

  • ・食物繊維(野菜・果物・海藻・豆類)

  • ・オリゴ糖

  • ・適度な運動

  • ・十分な睡眠

  • ・ストレスケア

生活の質が腸にダイレクトに反映されます。

 

 

日進市のたがやクリニックへご相談ください

腸は、脳・免疫・皮膚・代謝・腎臓など多くの臓器と深くつながり、
プロバイオティクスはその連携をサポートする有効な選択肢です。

日進市・長久手市・みよし市・東郷町で、腸の不調、免疫低下、肌荒れ、疲れやすさ、腎臓が気になる方は、たがやクリニックにお気軽にご相談ください。

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