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下痢が続く…もしかして“胆汁性下痢”?原因・症状・治療を解説

内科  / 内科一般

下痢が続く…もしかして“胆汁性下痢”?原因・症状・治療を解説

 

胆汁性下痢とは?

胆汁性下痢(たんじゅうせいげり)とは、本来は小腸で再吸収されるはずの「胆汁酸」が大腸に過剰に流れ込み、大腸を刺激することで起こる下痢のことをいいます。
水様便が続いたり、食後に急にお腹がゴロゴロ・ピーピーするタイプの下痢が特徴です。

近年は「見逃されやすい下痢の原因」として注目され、慢性的な下痠患者さんの中に胆汁性下痢が隠れているケースが少なくありません。

 

胆汁性下痢が起こる原因

胆汁性下痢には、いくつかのタイプが知られています。

① 原発性胆汁性下痢(明確な原因がないもの)

胆汁酸を再吸収する働きが弱くなり、胆汁酸が大腸へ流れ込みすぎてしまうタイプです。
はっきりとした原因がないため「原発性」と呼ばれ、近年増えていると言われています。

② 腸疾患・手術によるもの

・・回腸炎
・・クローン病
・・回腸切除後
など、小腸での再吸収が物理的に低下すると、胆汁性下痢が起こることがあります。

③ 胆のう摘出後(胆のう手術)

近年増えている胆のう摘出後下痢。
胆のうがなくなると胆汁が一定量ずつ腸へ流れ出るようになり、大腸で過剰となって下痢が起こることがあります。

 

症状の特徴 — こんな特徴があれば要注意

胆汁性下痢には特徴的なパターンがあります。

・水様便が続く

特に朝や食後に多いのが特徴です。

・トイレに駆け込むような急な便意

大腸が刺激され、突然強い便意が出ることがあります。

・腹痛より「下痢メイン」

腹痛が強くないのに下痢が続く場合、胆汁性下痢の可能性があります。

・整腸剤や食事改善では治りにくい

一般的な下痢止めだけでは改善しづらい特徴があります。

 

診断はどうする?(当院での対応方針)

胆汁性下痢の確定診断には、海外で行われる SeHCAT検査 など特殊な検査が必要ですが、日本では一般的ではありません。
そのため、臨床現場では 症状の評価+治療薬の反応 を診断の参考にすることが多くあります。

当院は消化器内科ではないため、特殊検査や内視鏡などの精密検査は行っておりません。
しかし、

  • ・症状のヒアリング

  • ・既往歴や生活習慣の確認

  • ・血液検査などの初期評価

  • ・他疾患(感染性腸炎、過敏性腸症候群など)との鑑別

 

といった 初期診療・鑑別・治療 は行うことが可能です。

より詳細な検査が必要と判断した場合には、必要に応じて消化管検査ができるクリニックや病院へご紹介させていただきます。

 

治療 — 胆汁酸をコントロールすることが中心

治療は胆汁酸の過剰流入を抑えることが中心となります。

① 胆汁酸を吸着する薬(コレスチラミンなど)

大腸に流れ込んだ胆汁酸を吸着し、症状を改善します。
この薬が効くかどうかも診断のヒントになります。

② 食事の工夫

・・脂質を摂りすぎない
・・食物繊維を適度に摂る
など、大腸への刺激を減らす工夫も有効です。

③ ほかの病気がある場合はそちらの治療を優先

例:クローン病、回腸炎、胆のう摘出後の調整 など

 

どんなときに受診すべき?

以下のような場合は胆汁性下痢の可能性があるため、ご相談をおすすめします。

・下痢が 1 か月以上続いている

・食後すぐに水様便が出ることが多い

・特に朝に下痢が起こりやすい

・腹痛は強くないのに下痢だけ続く

・胆のう摘出後から下痢が増えた

慢性的な下痢は生活の質を低下させ、体力や仕事、日常生活にも影響します。
早めに相談することで改善が期待できます。

 

日進市のたがやクリニックへご相談ください

胆汁性下痢は「知られていないが実は多い」下痢の原因です。
正しい診断と治療により、症状の改善が期待できます。

日進市・長久手市・みよし市・東郷町からアクセス良好なたがやクリニックへお気軽にご相談ください。

予約(当日予約いただけます)

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