健診で「境界型糖尿病」と言われたら|放置していい?【日進市・長久手市・みよし市・東郷町】
健診で「境界型糖尿病」と言われたら|放置していい?【日進市・長久手市・みよし市・東郷町】
境界型糖尿病とは?
健診で「境界型糖尿病」「血糖値がやや高め」「HbA1cが少し高い」と指摘され、不安に感じたことはありませんか。
境界型糖尿病は、医学的には「糖尿病予備群」と呼ばれ、糖尿病と正常の中間に位置する状態です。
自覚症状がほとんどないため見過ごされがちですが、この段階ですでに将来の糖尿病や動脈硬化性疾患のリスクが高まっていることが分かっています。
健診結果で指摘された「今」は、将来の健康を大きく左右する重要なタイミングです。
境界型糖尿病の診断基準と考え方
境界型糖尿病は、空腹時血糖値やHbA1cが正常範囲と糖尿病の診断基準の間にある状態を指します。
一般的には、
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・空腹時血糖値:110〜125mg/dL
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・HbA1c:5.6〜6.4%程度
が目安とされています。
ただし、血糖値やHbA1cは、食事内容、運動、体調、ストレスなどの影響を受けやすい指標です。
そのため、1回の数値だけで判断するのではなく、経時的な変化や他のリスク因子と合わせて総合的に評価することが重要です。
境界型糖尿病が「問題」とされる理由
境界型糖尿病の段階でも、血管への負担はすでに始まっています。
国内外の研究では、糖尿病と診断される前の段階から動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まることが示されています。
また、境界型糖尿病の方は、毎年一定の割合で糖尿病へ移行するとされています。
特に、肥満や内臓脂肪型肥満、高血圧、脂質異常症を合併している場合、糖尿病への進行リスクはさらに高くなります。
境界型糖尿病の背景にある病態
境界型糖尿病の主な病態は、
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・インスリン抵抗性の増大
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・インスリン分泌能の低下
です。
内臓脂肪が増えることでインスリンの効きが悪くなり、血糖値が上がりやすくなります。
さらに日本人は、欧米人と比べてインスリン分泌能がもともと低いとされており、軽度の体重増加や加齢だけでも血糖異常をきたしやすい特徴があります。
そのため、「それほど太っていないから大丈夫」とは言い切れません。
放置するとどうなるのか
境界型糖尿病を放置すると、数年のうちに糖尿病へ進行する可能性があります。
さらに重要なのは、糖尿病と診断される前から動脈硬化は進行しているという点です。
現在では、「糖尿病と診断された時点」よりも、「血糖値が高めの状態がどれくらいの期間続いたか」が、将来の合併症リスクに影響すると考えられています。
境界型糖尿病への対応と治療の考え方
境界型糖尿病への対応の基本は、生活習慣の改善です。
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・体重管理
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・食事内容の見直し
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・定期的な運動習慣
これらは血糖改善だけでなく、高血圧や脂質異常症、動脈硬化の予防にもつながります。
近年の研究では、境界型糖尿病の段階で生活習慣改善に取り組むことで、糖尿病発症リスクを大きく低下させられることが示されています。
一部の方では、リスクや背景を踏まえて医師の判断で薬物療法を検討する場合もありますが、早期介入ほど効果が高いとされています。
お伝えたいこと
境界型糖尿病は、「今すぐ薬が必要な病気」ではありません。
しかし、「何もしなくてよい状態」でも決してありません。
この段階での行動変容が、その後の人生の健康状態を大きく左右します。
専門医としては、血糖値だけでなく、体重、内臓脂肪、血圧、脂質、生活習慣を含めて総合的に評価し、一人ひとりに合った対策を考えることを大切にしています。
日進市のたがやクリニックへご相談ください
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・健診で境界型糖尿病やHbA1c高値を指摘された
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・血糖値は高めだが症状がなく不安
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・家族に糖尿病の方がいる
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・将来の糖尿病や合併症を防ぎたい
日進市、長久手市、みよし市、東郷町周辺で、境界型糖尿病について詳しく相談したい方は、たがやクリニックへお気軽にご相談ください。
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