健診前に“空腹で”と言われる理由|食事が影響する検査とは?【日進市・長久手市・みよし市・東郷町】
健診前に“空腹で”と言われる理由|食事が影響する検査とは?【日進市・長久手市・みよし市・東郷町】
健康診断の案内で「前日の夜9時以降は食事を控えてください」と書かれているのを見て、
「少しくらい食べてもいいのでは?」と思ったことはありませんか?
実は、空腹で受けることには大切な理由があります。
食事をすると血液中の成分が変化し、正確な検査結果が得られなくなることがあるからです。
この記事では、「空腹が必要な理由」と「特に食事の影響を受けやすい検査項目」について、医師の視点からわかりやすく解説します。
食後に変化する血液検査の値
私たちが食事をすると、体は栄養を吸収して血液中のさまざまな値が変化します。
そのため、食後の状態で採血すると、実際の体の状態とは異なる結果が出る可能性があるのです。
特に影響を受けやすい項目は次の通りです。
① 血糖値
食事をすると血糖値は急上昇します。
その後、時間が経つにつれて少しずつ下がっていきますが、食後すぐに採血すると高血糖と誤判定されることがあります。
② 中性脂肪(トリグリセリド)
中性脂肪は、食後に最も大きく変動する値のひとつです。
食事の内容(脂っこいもの、甘いものなど)によっては、数倍に上昇することもあります。
このため、脂質異常症の診断では12時間以上の絶食が推奨されます。
③ 総コレステロール・LDL・HDL
コレステロール値は中性脂肪ほど大きくは変動しませんが、
食後すぐの採血では軽度に上がることがあります。
より正確に評価するためには、やはり空腹時の測定が基本です。
④ 肝機能(AST・ALT・γ-GTPなど)
食事による直接的な影響は少ないですが、脂っこい食事や飲酒の直後は一時的に上昇することがあります。
特に健診前の「晩酌」は避けた方がよいでしょう。
⑤ 尿検査
食事内容や水分摂取によって尿の濃さや成分も変わります。
できるだけ自然な状態の尿を調べるために、朝起きてすぐの尿(早朝尿)を提出するのが理想です。
どのくらい絶食すればよいの?
一般的には、検査の8〜12時間前から食事を控えるよう指示されます。
絶食のポイント
- 
・前日の夜は、午後9時ごろまでに食事を済ませる
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・朝食は食べず、水やお茶などの「カロリーのない飲み物」はOK
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・コーヒーやジュース、牛乳はNG(血糖や脂質に影響)
 
服薬中の方は、薬の種類によっては朝に内服しても問題ない場合があります。
不安な方は、事前に医療機関へご相談ください。
絶食が必要ない場合もある?
一部の健診や再検査では、食後でもよい検査が行われる場合もあります。
例:食後採血による評価
最近では、「食後の血糖変動も含めた健康状態を評価する目的」で、
食後2時間採血を行う場合もあります。
ただし、従来の基準値(空腹時値)と比較できなくなるため、
一般的な健診では空腹が推奨されています。
日進市のたがやクリニックへご相談ください
健診は、「今の健康状態を客観的に把握する」大切な機会です。
せっかく受けても、食事の影響で正確な結果が得られないと意味が半減してしまいます。
健診当日は、
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・夜9時以降は食事を控える
 - 
・水分は水かお茶で補う
 - 
・朝食・甘い飲み物・タバコは控える
 
この3点を意識して臨みましょう。
たがやクリニックでは、健康診断の結果説明や再検査のフォローも行っています。
      