夜間頻尿の原因は実は睡眠時無呼吸症候群?|日進市・長久手市・みよし市・東郷町のたがやクリニック
夜間頻尿の原因は実は睡眠時無呼吸症候群?|日進市・長久手市・みよし市・東郷町のたがやクリニック
夜中に何度も目が覚めてトイレに行く「夜間頻尿」。加齢や前立腺の病気と関連づけられることが多い症状ですが、実は睡眠時無呼吸症候群(SAS) が原因となっているケースも少なくありません。今回は、夜間頻尿と睡眠時無呼吸症候群の深い関係について、解説します。
夜間頻尿とは?
夜間頻尿とは、夜間に2回以上トイレのために起きる状態を指します。高齢者に多くみられる症状ですが、若い世代にも起こることがあります。単にトイレの問題にとどまらず、睡眠の質を低下させ、日中の眠気や集中力低下、生活の質の低下につながるため、軽視すべきではありません。
夜間頻尿の原因はひとつではない
夜間頻尿の背景には、前立腺肥大症、過活動膀胱、心不全、腎機能低下など、さまざまな病気が隠れていることがあります。しかし、見落とされやすい原因のひとつが睡眠時無呼吸症候群です。泌尿器科で検査しても異常が見つからないのに夜間頻尿が続く場合、睡眠時無呼吸症候群が潜んでいることがあります。
睡眠時無呼吸症候群と夜間頻尿の関係
睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に呼吸が止まり、体内の酸素濃度が低下します。その結果、心臓や血管に強いストレスがかかり、心房から心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が分泌されます。ANPは腎臓に作用し尿の産生を増やすため、夜間頻尿が引き起こされます。
実際に、睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは夜間頻尿の有病率が高く、日本の研究では中等症以上のSAS患者の約50~70%に夜間頻尿がみられると報告されています(Fukuda et al., Sleep Med 2010)。また米国の研究でも、SASのある患者は夜間頻尿のリスクが有意に高いことが示されています(Margel et al., J Urol 2006)。
さらに、持続陽圧呼吸療法(CPAP)を導入すると、夜間尿回数が減少し睡眠の質が改善することが複数の臨床研究で報告されています。
睡眠時無呼吸症候群の特徴
睡眠時無呼吸症候群は「いびき」や「睡眠中の無呼吸」で知られていますが、夜間頻尿も重要な症状のひとつです。さらに、日中の強い眠気や起床時の頭痛、高血圧や糖尿病との関連も指摘されています。夜間に繰り返しトイレに起きる場合、泌尿器科疾患だけでなく睡眠時無呼吸症候群の可能性も考える必要があります。
検査と治療
睡眠時無呼吸症候群の診断には、自宅でできる簡易検査から、病院で行う精密なポリソムノグラフィーまで幅広い方法があります。当院でも簡易検査の提案が可能です。
診断が確定した場合、最も効果的な治療はCPAP療法で、呼吸の改善とともに夜間頻尿も軽快するケースが多数報告されています。
夜間頻尿でお困りの方へ 日進市のたがやクリニックへご相談ください
夜間頻尿は単なる加齢や泌尿器科の病気ではなく、睡眠時無呼吸症候群が隠れている場合があります。
たがやクリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の検査・治療も行っております。夜間頻尿でお困りの方はお気軽にご相談ください。