寒いと指が真っ白に!?レイノー症候群とは ― 日進市・長久手市・みよし市・東郷町で膠原病の診療を行うたがやクリニックより
寒いと指が真っ白に!?レイノー症候群とは
― 日進市・長久手市・みよし市・東郷町で膠原病診療を行うたがやクリニックより ―
これから寒くなる季節、「手が冷たくて白くなる」「お湯につけると痛い」「指が真っ青になる」といった症状を訴える方が増えてきます。
これらはレイノー現象(レイノー症候群)と呼ばれ、寒さやストレスなどの刺激で指先の血管が過剰に収縮し、血流が一時的に途絶えてしまう状態です。
一見、単なる“冷え性”と思われがちですが、実は膠原病など全身性疾患の初期サインとして現れることもあります。
レイノー現象の仕組み(機序)
通常、寒さや緊張を感じると自律神経の働きにより血管が一時的に収縮します。
しかしレイノー現象では、この反応が過剰に起こることで指先の血流が止まり、以下のような特徴的な色の変化がみられます。
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白くなる(血流が止まる)
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青くなる(酸素不足の状態)
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赤くなる(血流が戻る)
この「三相性の色調変化」はレイノー現象の典型的な所見です。
背景には、末梢血管の過敏な収縮反応や自律神経のバランス異常、さらに血管内皮機能の障害などが関与していると考えられています。
原発性と二次性(膠原病に伴うレイノー)
レイノー現象は大きく2つに分けられます。
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・原発性レイノー現象
健康な方にもみられ、寒冷刺激や精神的ストレスで起こります。血液検査では異常が見られません。 -
・二次性レイノー現象
膠原病(全身性強皮症、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病など)に伴って起こるものです。
この場合は血管炎や免疫異常が背景にあり、放置すると皮膚潰瘍や指先の壊死に至ることもあります。
レイノー現象が膠原病の最初の症状として現れることもあるため、早めの評価が大切です。
レイノー現象の検査
たがやクリニックでは、診察と問診に加え、以下のような検査を行います。
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・血液検査(自己抗体の有無)
ANA(抗核抗体)、抗Scl-70抗体、抗RNP抗体などを調べます。 -
・爪上皮毛細血管の観察
爪の付け根付近の毛細血管の形態を顕微鏡で確認し、強皮症などに特徴的な変化がないかを評価します。
膠原病専門医として、症状の背景に全身性疾患が隠れていないかを丁寧に見極めます。
必要に応じて、連携する総合病院の膠原病内科や合併する心疾患があれば循環器内科へご紹介させていただくこともあります。
日常生活での対策
レイノー現象は、日常生活の工夫で症状を軽減できることがあります。
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・手袋やカイロを使い、手足をしっかり保温する
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・急激な温度変化を避ける
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・ストレスをためないようにする
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・喫煙を控える(ニコチンが末梢血管を収縮させます)
症状が強い場合には、血管拡張薬(カルシウム拮抗薬など)を使用することもあります。
日進市のたがやクリニックへご相談ください
レイノー現象は、寒さやストレスによって誰にでも起こり得ますが、なかには膠原病の初期サインである場合もあります。
「寒いと指が白くなるだけ」と軽視せず、気になる症状があれば早めにご相談ください。
たがやクリニックでは、膠原病を専門とする内科医が診療を行っております。
原因を見極め、必要に応じて連携医療機関へ紹介しながら適切なフォローを行います。