尿ケトン体陽性とは?~糖尿病だけじゃない、体が「飢餓状態」のサイン~
尿ケトン体陽性とは?~糖尿病だけじゃない、体が「飢餓状態」のサイン~
尿検査で「ケトン体陽性」と言われたら
健康診断やクリニックの尿検査で「尿ケトン体陽性」と指摘されたことはありませんか?
「糖尿病?」「何か悪い病気?」と心配になる方も多いですが、尿中ケトン体が陽性になる原因はひとつではありません。
ここでは、尿ケトン体の意味と注意すべき状況をわかりやすく解説します。
ケトン体とは?
ケトン体とは、脂肪をエネルギー源として分解するときにできる物質です。
通常、体は糖(ブドウ糖)をエネルギーとして使いますが、糖が不足すると、脂肪を分解してエネルギーを作り出します。
このときに生じる副産物が「ケトン体(アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトン)」です。
尿ケトン体陽性になる主な原因
尿ケトン体が検出されるのは、体が糖ではなく脂肪を主に使ってエネルギーを作っている状態です。
代表的な原因は以下の通りです。
① 糖尿病(特に1型糖尿病、または2型の重症例)
インスリンが不足すると、血糖が高いにもかかわらず細胞が糖を使えず、脂肪を分解してケトン体を作ります。
これが進行すると、「糖尿病性ケトアシドーシス」という命に関わる状態になることがあります。
② 食事制限・断食・低炭水化物ダイエット
糖質摂取量が極端に少ないと、エネルギー源として脂肪が使われ、尿ケトン体が陽性になります。
健康的な範囲であれば問題ありませんが、極端な食事制限は注意が必要です。
③ 発熱・嘔吐・下痢・感染症
体調不良で食事が取れない時も、同じように脂肪がエネルギー源になり、一時的にケトン体が増えます。
④ 過度な運動やストレス
長時間の運動や強いストレスでも、エネルギー不足から一時的にケトン体が出ることがあります。
尿ケトン体陽性のとき、どんな検査を受ける?
原因を見極めるために、以下の検査を行うことがあります。
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・血糖値・HbA1c(糖尿病の有無を確認)
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・血中ケトン体濃度(尿ケトン体との比較)
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・電解質・血液ガス分析(ケトアシドーシスの重症度を評価)
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・体重変化や食事内容の確認
特に糖尿病が疑われる場合は、早めの医療機関受診が重要です。
尿ケトン体が陽性でも心配いらないケースも
一時的な絶食や軽度の食事制限、発熱などでもケトン体は出ることがあります。
しかし、高血糖を伴う尿ケトン体陽性は危険信号です。
強い口渇、倦怠感、吐き気、腹痛などがある場合は、すぐに受診してください。
日進市のたがやクリニックへご相談ください
尿ケトン体は、体の「エネルギーバランスの変化」を反映するサインです。
糖尿病治療中の方で尿ケトン体が出た場合は、インスリン不足や脱水の可能性があります。
食事制限やダイエット目的でケトン体が陽性になっている場合でも、長期間続くと筋肉量低下や腎臓負担が起こることがあります。
体調や目的に合わせて、安全に代謝バランスを保つことが大切です。
日進市・長久手市・みよし市・東郷町エリアで、糖尿病や腎臓の異常、健康診断結果の相談をご希望の方は、専門医がいるたがやクリニックへお気軽にご相談ください。
