微量アルブミン尿とは?糖尿病性腎症や心血管リスクの早期発見に重要な検査|たがやクリニック
微量アルブミン尿とは?糖尿病性腎症や心血管リスクの早期発見に重要な検査|日進市・長久手市・東郷町・みよし市のたがやクリニック
微量アルブミン尿とは?
「微量アルブミン尿」とは、通常の尿検査(尿蛋白検査)では検出できないごく少量のアルブミン(タンパク質)が尿中に漏れ出ている状態を指します。腎臓の糸球体のごく初期の障害を反映しており、糖尿病性腎症の早期発見に役立つ非常に重要なサインです。
なぜアルブミンが尿に出るのか?
腎臓は血液をろ過し、不要な老廃物を尿として排泄する働きを持っています。本来はタンパク質は尿に漏れませんが、糖尿病や高血圧により腎臓の糸球体がダメージを受けると、アルブミンが少しずつ尿に漏れ出てきます。
検査方法について
微量アルブミン尿は、一般的な尿試験紙では検出できません。
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尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)
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24時間蓄尿でのアルブミン測定
など、専用の検査が必要です。健診や糖尿病治療の経過観察で定期的にチェックされます。
微量アルブミン尿が示すリスク
1. 早期腎症のサイン
微量アルブミン尿は、糖尿病性腎症の初期段階(第1期・第2期)に現れる変化です。まだ血清クレアチニンやeGFRが正常な段階でも、腎臓に障害が始まっていることを示します。
参考:日本糖尿病学会ガイドラインでは、糖尿病患者の定期的な微量アルブミン尿測定が推奨されています。
2. 心血管リスクのマーカー
微量アルブミン尿は腎臓だけでなく、全身の血管内皮障害を反映しているため、心筋梗塞・脳梗塞など心血管疾患のリスクマーカーにもなります。
HOPE試験やUKPDS(英国前向き糖尿病研究)では、微量アルブミン尿が心血管イベント発症率と相関することが報告されています。
3. 治療介入で改善が可能
重要なのは、微量アルブミン尿が「可逆的」である場合があるという点です。
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血糖コントロール(HbA1cの改善)
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血圧コントロール(ACE阻害薬・ARBによる治療)
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減塩・運動・禁煙といった生活習慣改善
これらの介入により、微量アルブミン尿が正常化し、腎症の進展を防ぐことが可能であることが複数の臨床試験(IRMA-2試験など)で示されています。
治療・対策は?
微量アルブミン尿が出たからといって、すぐに透析に至るわけではありません。早期に発見できれば進行を抑えることが可能です。
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血糖コントロール(HbA1cを目標範囲に)
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血圧管理(ACE阻害薬・ARBが特に有効)
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生活習慣の改善(減塩・運動・禁煙)
これらを徹底することで、腎機能の低下や心血管イベントを防ぐことができます。
日進市のたがやクリニックへご相談ください
微量アルブミン尿は、糖尿病性腎症の早期サインであり、同時に心血管疾患のリスクマーカーでもあります。しかし、早期に発見し、血糖・血圧管理や生活習慣の改善を行うことで、進展を抑制することが可能です。
日進市・長久手市・東郷町・みよし市にお住まいで、糖尿病や高血圧、腎臓の健康が気になる方は、ぜひたがやクリニックにご相談ください。地域の皆さまの健康を守るために、検査から治療までしっかりとサポートいたします。