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慢性腎炎症候群とは ~血尿・蛋白尿は“沈黙のサイン”~

内科

慢性腎炎症候群とは ~血尿・蛋白尿は“沈黙のサイン”~

「健診で血尿や蛋白尿を指摘された」「自覚症状はないけど、腎臓に異常があると言われた」――そんな方へ。

慢性腎炎症候群は、腎臓に慢性的な炎症が起きる病態の総称であり、放置していると将来的に腎機能が低下し、人工透析が必要になるリスクもある重大な疾患です。
しかし、初期にはほとんど自覚症状がないため、「血尿」や「蛋白尿」といった尿検査での異常が、唯一の手がかりとなることも少なくありません。

 尿に異常があっても、体に症状は出にくい

血尿や蛋白尿は、腎臓に異常があってもほとんどの場合、自覚症状がありません。
尿が赤く見える「肉眼的血尿」が出るケースもありますが、多くは検診などで偶然に見つかる「顕微鏡的血尿」や「蛋白尿」です。

こうした“見えないサイン”を見逃さないためには、定期的な尿検査がとても重要です。


 腎臓が「燃えている」かどうかがカギ

「慢性腎炎症候群かもしれない」となったときに重要なのが、現在の腎臓にどれほどの炎症(活動性)があるか=腎臓が燃えているかを見極めることです。

この判断には、単なる尿検査だけでなく、以下のような情報を総合的に評価します。

  • 血液検査での腎機能(クレアチニン、eGFRなど)

  • 尿所見(尿潜血、尿蛋白、尿沈渣など)

  • 血圧やむくみの有無

  • その他の膠原病などの兆候(自己抗体の有無など)

腎炎の進行度や病型を正しく把握するためには、総合内科的な視点と腎臓の専門的な知識が必要です。


 「腎生検」が必要かどうかを見極める

腎臓の病気は種類が多く、正確な診断には腎臓の組織を直接顕微鏡で見る「腎生検(じんせいけん)」が必要になるケースもあります。

腎生検は針を刺して腎臓の組織を採取する、侵襲性の高い検査であり、すべての患者さんに行うわけではありません。

この検査を行うかどうかは、

  • 腎炎の活動性がどれほどあるか

  • どのような治療方針が必要になるか

  • 腎臓の予後を予測する必要があるか
  • 免疫抑制剤などを使うべきかどうか

などを総合的に判断して決定します。

この判断は非常に専門的であり、腎臓疾患に精通した医師でないと難しい部分です。


 治療のタイミングを逃さないために

慢性腎炎症候群の中には、早期に免疫抑制剤やステロイドの使用を検討しないと、腎機能が不可逆的に悪化してしまう疾患もあります。

そのため、

  • 腎生検を適切なタイミングで行うこと

  • 必要に応じて迅速に治療を開始すること
    がとても重要です。

適切なタイミングを逃さないためには、腎疾患に詳しい医師による早期診断と継続的なフォローが不可欠です。


 尿異常を指摘されたら、お早めにご相談ください

たがやクリニックでは、日進市・長久手・東郷町・みよし市など近隣地域の方々に向けて、尿検査異常の精査や慢性腎炎症候群の初期対応、必要時の専門医療機関への紹介連携を行っております。

「血尿」「蛋白尿」と言われても、症状がないとつい放置してしまいがちですが、それが腎臓病の始まりかもしれません。

当院では、腎機能に関する検査・総合的な評価・腎生検の必要性の判断・免疫治療の導入可否の検討など、腎臓疾患の早期診断と適切な対応を心がけています。

ご心配な方はお気軽に問い合わせください。

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