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日進市・長久手市・みよし市・東郷町で知っておきたい!「歩行速度」でわかる健康状態と身体能力の重要なサイン

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日進市・長久手市・みよし市・東郷町で知っておきたい!「歩行速度」でわかる健康状態と身体能力の重要なサイン

 

歩行速度は“全身の健康を映す総合指標”

歩行速度(歩行スピード)は、筋力・持久力・反射速度・バランス機能・神経伝達・認知機能など、多くの要素が組み合わさって決まります。
そのため、歩行速度が低下することは「複数の身体機能が弱ってきている可能性」を示すサインであり、世界中の医学研究で“5 vital signs(第五のバイタルサイン)”として重要視されています。

 

歩行速度が低下する理由と背景にある身体の変化

歩行速度が落ちてきた場合、単に「筋力が落ちた」だけではないケースが多くあります。

考えられる要因

  • ・下肢筋力の低下(サルコペニアの初期サイン)

  • ・足関節・膝関節の痛みや可動域制限(変形性膝関節症・扁平足など)

  • ・心肺機能の低下(心不全・COPDなど)

  • ・末梢神経障害(糖尿病性神経障害)

  • ・脳機能の低下(認知機能低下、脳梗塞後)

  • ・自律神経の働きの低下

  • ・慢性炎症や栄養不足

歩行速度低下が示すリスク

  • 転倒・骨折のリスク増大

  • フレイル・サルコペニアの進行

  • 認知症発症のリスク増加

  • 心血管疾患(心筋梗塞・脳梗塞)リスク上昇

  • 全死亡率の上昇との関連

歩行速度は「身体機能の早期警報」として非常に優れた指標です。

 

健康的な歩行速度の目安と加齢との関係

歩行速度は加齢とともにゆっくり低下していきますが、個人差が大きいため“年齢のせい”と決めつけるのは危険です。

健康指標となる速度

  • ・1.0 m/秒以上=健康的

  • ・0.8 m/秒未満=フレイルが疑われる

  • ・0.6 m/秒未満=要介護リスクが高い

年代別の平均速度(より詳細)

  • 20–40代:1.2~1.4 m/秒

  • 50代:1.0~1.3 m/秒

  • 60代:1.0~1.2 m/秒

  • 70代:0.9~1.1 m/秒

  • 80代:0.7~0.9 m/秒

※同年代でも「よく歩く人」は速度が維持される傾向があります。

 

歩行速度と健康寿命の深い関係

歩行速度は“未来の健康状態”を予測する指標として信頼性が高いことがわかっています。

医学研究で明らかになっていること

  • 歩行速度が0.1 m/秒速いだけで死亡率が低下

  • 認知症の発症リスクと歩行速度が強く相関

  • 高齢者の要介護リスク予測に高い精度

  • 心不全・心筋梗塞・脳卒中のリスクとも関連

  • 血液検査ではわからない体力・機能低下を可視化できる

歩行速度は「見た目以上に重要な健康指標」であり、定期的なチェックが推奨されています。

 

歩行速度を高める・維持するための具体的な方法

歩行速度は適切な刺激を加えることで改善が期待できます。

① 筋力トレーニング(下肢の基礎体力強化)

  • スクワット

  • かかと上げ(カーフレイズ)

  • 太もも上げ(ニーアップ)

  • 椅子立ち座り運動

② 歩行能力を高める有酸素運動

  • 速歩(1日20分~30分を目標)

  • ノルディックウォーキング

  • 自転車エルゴメーター

  • 水中ウォーキング(関節負担が少ない)

③ バランス・姿勢改善

  • 片脚立ち(安全に配慮)

  • 転倒予防体操

  • 背筋・股関節ストレッチ

④ 正しい歩き方のポイント

  • 歩幅を広く意識する

  • 背筋を伸ばす

  • 視線を前へ

  • かかとから着地する

  • リズミカルに歩く

小さな改善の積み重ねで、歩行速度は確実に上がっていきます。

 

たがやクリニックでできる“総合評価”

当院では、歩行速度低下の背景にある原因を丁寧に評価します。

当院が可能なサポート

  • フレイル・サルコペニアのチェック

  • 栄養状態のチェック

  • 動脈硬化の評価(頸動脈エコーなど)

  • 運動・生活習慣の個別指導

「歩くのが遅くなった気がする」という小さな変化も、将来の健康管理につながる大切なサインです。

 

日進市のたがやクリニックへご相談ください

歩行速度は、筋力・心肺機能・脳機能など全身の健康状態を映し出す非常に重要な指標です。
少し遅くなったと感じたら、早めに身体の状態を確認することが、健康寿命を延ばす第一歩になります。
気になる方は、たがやクリニックへお気軽にご相談ください。

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