眼瞼黄色腫とは?目の上の黄色い塊は脂質異常症・動脈硬化の重要なサイン(日進市・長久手市・みよし市・東郷町)
眼瞼黄色腫とは?目の上の黄色い塊は脂質異常症・動脈硬化の重要なサイン(日進市・長久手市・みよし市・東郷町)
まぶたに現れる「黄色い塊」。 痛みもかゆみもないため見過ごされがちですが、内科的には非常に重要な意味を持つ所見です。
眼瞼黄色腫は、単なる皮膚の変化ではなく、脂質代謝異常や将来の心血管疾患リスクを示唆する“目に見えるサイン”であることが、国内外の研究から明らかになっています。
眼瞼黄色腫とは
眼瞼黄色腫(がんけんおうしょくしゅ)は、主に上まぶたの内側に左右対称に出現することが多い、黄色調の平坦な隆起性病変です。
皮膚の中にコレステロールを主体とした脂質が沈着することで形成され、医学的には「黄色腫(xanthoma)」の一種に分類されます。
特徴として
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・痛み・かゆみがない
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・ゆっくりと増大する
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・化粧や洗顔では取れない
といった点が挙げられます。
なぜ目の上に脂質がたまるのか
眼瞼黄色腫では、血中に増加したLDLコレステロールなどが血管外へ移行し、皮膚内のマクロファージに取り込まれて泡沫細胞を形成します。
まぶたは
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・皮膚が薄い
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・毛細血管が豊富
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・脂質が沈着しやすい構造
であるため、全身の脂質異常が最も早く「可視化」されやすい部位と考えられています。
眼瞼黄色腫と脂質異常症・家族性高コレステロール血症
臨床上特に重要なのは、眼瞼黄色腫が
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・高LDLコレステロール血症
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・家族性高コレステロール血症(FH)
と強く関連する点です。
若年で出現する場合や、両側性・多発性の場合は、FHを含めた遺伝性脂質異常症の可能性も考慮する必要があります。
FHは未治療のままでは、若年で心筋梗塞を発症するリスクが非常に高い疾患です。
痛みがなくても放置してはいけない理由
大規模疫学研究では、眼瞼黄色腫を有する人は
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・心筋梗塞
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・虚血性心疾患
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・全死亡率
のリスクが有意に高いことが示されています。
重要なのは、血清コレステロール値とは独立してリスク上昇と関連したという点です。
つまり、
「数値がそれほど高くなくても、長年の脂質負荷が存在していた可能性」
を示唆する所見といえます。
眼瞼黄色腫を認めた場合に行うべき検査
専門医としては、以下をセットで評価します。
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・LDLコレステロール・Non-HDLコレステロール
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・中性脂肪・HDLコレステロール
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・血糖値・HbA1c
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・甲状腺機能(TSH・FT4)
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・家族歴(若年心血管イベント)
数値だけでなく、経年的変化とリスクの積み重なりを重視することが重要です。
見た目の治療と内科的治療の考え方
皮膚科的治療の位置づけ
切除やレーザー治療で見た目を改善することは可能ですが、
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・原因治療ではない
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・再発率が一定程度ある
という点を理解しておく必要があります。
内科的に本当に重要な治療療
最も重要なのは
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・脂質異常症の是正
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・動脈硬化リスクの低減
です。
スタチンなどの脂質低下薬は、心血管イベント予防という明確なエビデンスがあり、必要な方には積極的に検討します。
眼瞼黄色腫は「目に見える動脈硬化マーカー」
専門医の立場から見ると、眼瞼黄色腫は
まだ症状が出ていない段階で、体が発している重要な警告
と捉えます。
この段階で生活習慣と治療介入を行えるかどうかが、 将来の心筋梗塞・脳梗塞を防げるかの分かれ目になります。
受診をおすすめするタイミング
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・まぶたの黄色い病変が気になり始めた
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・健診で脂質異常症を指摘された
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・家族に心筋梗塞・高コレステロールの方がいる
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・見た目以上に体の中が心配
このような場合は、一度内科での評価をおすすめします。
日進市・長久手市・みよし市・東郷町で脂質異常症・眼瞼黄色腫でご相談されたい方へ
日進市のたがやクリニックでは、
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・眼瞼黄色腫という「所見」
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・血液検査データ
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・生活背景・家族歴
を総合的に評価し、将来を見据えた医療を行っています。
見た目の変化を、体を守るきっかけにしましょう。
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