糖尿病でなぜしびれる?目や腎臓が悪くなる理由を解説|糖尿病治療をお考えの方へ
糖尿病でなぜしびれる?目や腎臓が悪くなる理由を解説|日進市・長久手市・東郷町・みよし市で糖尿病治療をお考えの方へ
糖尿病と合併症の関係
糖尿病は、血糖値が高い状態が長期間続くことで全身にさまざまな影響を及ぼします。
その中心にあるのが 「微小血管障害」 と呼ばれる血管のトラブルです。
「手足のしびれ」「視力の低下」「腎臓が悪いと言われた」といった症状は、糖尿病が原因で血管や神経に異常が起きているサインかもしれません。
糖尿病で起こる「微小血管障害」とは?
糖尿病合併症の多くは、血糖が高い状態によって「毛細血管」という細い血管が障害されることから始まります。
病理学的な変化
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高血糖により、血管の内皮細胞に 余分な糖(グルコース)が蓄積
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それが「糖化最終産物(AGEs)」を形成し、血管の硬化や炎症を引き起こす
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酸化ストレスや炎症性サイトカインの影響で血管壁が傷つきやすくなる
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基底膜(血管の壁の一部)が肥厚し、血液の流れや栄養のやり取りがスムーズにできなくなる
結果として、酸素や栄養が十分に運ばれなくなり、神経や臓器にダメージが蓄積します。
手足のしびれ(糖尿病性神経障害)
糖尿病性神経障害は 最も早く出やすい合併症 のひとつです。
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血流障害により、末梢神経への酸素・栄養供給が不足
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神経細胞がダメージを受け、しびれや痛み、感覚の鈍さが出現
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特に「足先から左右対称」に症状が出やすい
進行すると、けがややけどに気づかないまま重症化することもあるため、フットケアが重要です。
目の症状(糖尿病性網膜症)
糖尿病網膜症は「失明原因の上位」に入る合併症です。
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網膜の毛細血管が破綻し、出血やむくみが起こる
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酸素不足により「新生血管」が生じるが、もろくて出血しやすい
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繰り返す出血や瘢痕化で網膜が障害され、視力が低下
糖尿病網膜症は 初期は自覚症状が乏しい ため、定期的な眼底検査が欠かせません。
腎臓の症状(糖尿病性腎症)
腎臓は血液をろ過して老廃物を尿として排泄する「糸球体」という毛細血管の集まりを持っています。糖尿病では、この糸球体が長期間の高血糖によってダメージを受け、徐々に働きが落ちていきます。
糖尿病性腎症の病理学的変化
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糸球体基底膜の肥厚
高血糖の影響で、血管の壁が厚くなり、透過性が変化します。これにより、通常なら尿に漏れないタンパク質が尿中に出てきます。 -
メサンギウム細胞の増殖
糸球体の構造を支える細胞が増えてしまい、糸球体が硬くなり機能が低下します。 -
結節性病変(Kimmelstiel-Wilson結節)
糖尿病性腎症の特徴的な所見で、進行例では糸球体に結節状の変化が出現します。 -
糸球体硬化
最終的には糸球体が萎縮・硬化し、腎臓のろ過能力そのものが失われていきます。
尿異常の進み方
糖尿病性腎症は、尿検査で早期に発見できるのが特徴です。
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微量アルブミン尿(初期段階)
健康な人では尿に出ないアルブミンがごく少量見つかります。自覚症状はありませんが、腎臓の血管障害が始まっているサインです。 -
顕性蛋白尿
尿に明らかな量のタンパクが漏れ始めます。むくみや血圧上昇が現れることがあります。 -
腎機能低下
血液検査でクレアチニンやeGFRの異常が出始め、老廃物が体内に溜まってきます。 -
末期腎不全
腎臓が十分に機能せず、人工透析や腎移植が必要となる段階です。
糖尿病腎症が恐ろしい理由
糖尿病腎症は「日本で透析導入となる原因の第1位」です。しかも、初期の段階では症状が出にくく、健診や尿検査でしか分からないことが多いのが特徴です。
合併症を予防するためにできること
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血糖コントロール(食事・運動・薬物療法)
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血圧・脂質の管理(動脈硬化予防のため)
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定期検査
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神経:しびれの有無や足のチェック
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眼:年1回以上の眼底検査
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腎:尿検査(尿蛋白・尿アルブミン)、血液検査
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日進市・長久手市・東郷町・みよし市で糖尿病のご相談はたがやクリニックへ
糖尿病合併症は、一度進行してしまうと元に戻すのが難しい病気です。
だからこそ「早めの対応」「定期的なチェック」が重要です。
たがやクリニックでは、糖尿病の治療に加え、合併症の予防・早期発見のための検査や生活習慣改善をサポートしています。
しびれ、視力の変化、健診での尿異常など、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。