総コレステロールとは?〜高すぎても低すぎても要注意〜【日進市・長久手市・みよし市・東郷町】
総コレステロールとは?〜高すぎても低すぎても要注意〜【日進市・長久手市・みよし市・東郷町】
総コレステロールとは?
健康診断の結果で「総コレステロール」の数値を見て、
「高いと言われたけど、これってどのくらい悪いの?」と不安になったことはありませんか?
コレステロールは「脂質(あぶら)」の一種で、細胞膜やホルモン、胆汁酸を作るために欠かせない重要な成分です。
つまり、コレステロール=悪者ではありません。
ただし、バランスが崩れて“多すぎる”状態が続くと、動脈硬化を進める原因になるため注意が必要です。
総コレステロールの内訳と計算方法
総コレステロール(Total Cholesterol)は、以下の3つの脂質の合計で構成されています。
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LDLコレステロール(悪玉)
動脈の壁にコレステロールを運び、溜まりすぎると動脈硬化を進めます。 - 
HDLコレステロール(善玉)
余分なコレステロールを回収し、動脈硬化を防ぐ働きをします。 - 
VLDL(超低比重リポ蛋白)コレステロール
中性脂肪を多く含み、エネルギー供給源となります。 
実際に検査値として用いられる総コレステロールの計算式は次の通りです:
総コレステロール = LDLコレステロール + HDLコレステロール + (中性脂肪 ÷ 5)
※中性脂肪(TG)が400mg/dL未満の場合に有効(Friedewaldの式)
この計算式からもわかるように、LDLが高いだけでなく、中性脂肪が高い場合も総コレステロールが上昇します。
総コレステロールが高いとどうなる?
総コレステロール値が高い場合、主にLDLコレステロール(悪玉)が増えているケースが多く、これが動脈硬化の進行につながります。
動脈硬化が進むと…
血管の内側にコレステロールがたまり、血管が硬く・狭くなります。
その結果、次のような疾患のリスクが上昇します。
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・心筋梗塞
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・狭心症
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・脳梗塞
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・末梢動脈疾患(足の血流障害)
 
特に糖尿病や高血圧を合併している方では、リスクが相乗的に高まるため注意が必要です。
総コレステロールが低いのも問題?
一方で、総コレステロールが低すぎる場合も安心できません。
コレステロールは細胞膜の材料であり、ホルモン(副腎皮質ホルモン・性ホルモン)や胆汁酸の合成にも関わっています。
そのため、過度に低い値では以下のような問題が生じる可能性があります。
- 
・ホルモンバランスの乱れ(特に女性)
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・免疫力の低下
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・うつ症状との関連が報告されているケースも
 
特に食事制限を過度に行っている場合や、肝疾患・甲状腺機能亢進症などの病気が隠れていることもあります。
理想的なコレステロール値とは?
一般的な健康診断では、以下の基準がよく用いられます。
| 項目 | 望ましい範囲(mg/dL) | 
|---|---|
| 総コレステロール | 150〜219 | 
| LDLコレステロール | 70〜139 | 
| HDLコレステロール | 40以上 | 
ただし、管理目標値は人によって異なります。
動脈硬化の危険因子(糖尿病・高血圧・喫煙・家族歴など)がある方では、より厳格な管理が求められる場合もあります。
(参考:日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022」)
コレステロールが高くなる原因
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・飽和脂肪酸の多い食事(バター、脂身の多い肉など)
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・運動不足
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・遺伝的要因(家族性高コレステロール血症など)
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・更年期によるホルモン変化
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・肥満・インスリン抵抗性
 
特に中高年以降では、食事だけでなく体質やホルモン変化の影響も大きくなります。
日進市のたがやクリニックの取り組み
たがやクリニックでは、採血データをもとに総コレステロールだけでなく、
LDL・HDL・中性脂肪のバランスを確認し、「なぜ上がっているのか」を丁寧に解析します。
生活習慣の改善指導から、必要に応じた薬の調整まで、
患者さん一人ひとりに合わせた最適な治療を行っています。
地域のかかりつけ医として、「数値の改善」だけでなく「血管を守る」ことを重視しています。
      