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脂肪肝とは?お酒を飲まない人も注意!~健診で肝機能障害を指摘されたら~

内科

脂肪肝とは?お酒を飲まない人も注意!~健診で肝機能障害を指摘されたら~


「沈黙の臓器」肝臓が静かに悲鳴を上げているかもしれません

健康診断で「肝臓の数値が高い」と言われたけれど、体調も悪くないし特に気にしていない──。
そんな方も多いのではないでしょうか。ですが、肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれ、重篤な状態になるまで自覚症状が出にくい臓器です。日本では成人の3人に1人が脂肪肝とされており、中には「痩せている」「お酒を飲まない」人でも発症するケースが増えてきています。


脂肪肝ってどんな状態?

脂肪肝とは、肝臓の細胞内に脂肪が過剰に蓄積された状態です。放置すると「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」に進行し、やがて「肝硬変」や「肝がん」に至る恐れもあります。

肝臓は、代謝・解毒・免疫といった重要な働きを担っていますが、脂肪が蓄積されるとその機能が徐々に低下し、全身の健康にも影響を及ぼします。


お酒を飲まない人も要注意!「痩せの脂肪肝」が増加中

「脂肪肝=お酒の飲みすぎ」というイメージがありますが、最近ではお酒を飲まない方や、見た目が痩せている方でも脂肪肝になるケースが増えています。
とくに問題となっているのが、清涼飲料水やフルーツジュースなどに含まれる「果糖(フルクトース)」です。果糖は肝臓で直接代謝されるため、脂肪として蓄積されやすく、脂肪肝の大きな原因となります。


脂肪肝を治すには「体重の7%減」が効果的

脂肪肝の改善には、生活習慣の見直しが欠かせません。特に「体重の7%減」は、世界中の専門家が注目している科学的に根拠のある目標です。

根拠となる臨床研究

2015年に米国の医学誌『Gastroenterology』に掲載されたVilar-Gomez氏らの研究では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の患者さんが「体重の7%以上を減らす」ことで、肝臓の炎症や細胞の障害が有意に改善されることが示されました(Gastroenterology. 2015;149(2):367-78.e5.)。

さらに、10%以上の減量により肝臓の線維化(硬さ)も改善するとされ、日本肝臓学会や日本消化器病学会のガイドラインでも正式に推奨されています。


肝臓を守るための生活習慣7つのポイント

  1. 体重を7%減らすことを目指す(例:70kg→65kg)

  2. 加糖飲料を控える(ジュース、スポーツドリンクなど)

  3. 糖質(ご飯・パン・麺・菓子)を減らす

  4. 野菜や食物繊維を多くとる

  5. たんぱく質の摂取を意識する

  6. 週2回以上の筋トレを継続する

  7. 水・お茶で水分補給をする


「お酒も飲まないし、痩せているから安心」ではありません

脂肪肝は見た目ではわからず、自覚症状も少ないため、健診の結果や血液検査が唯一の手がかりになることがほとんどです。
「脂肪肝」と診断されたら、まずは生活習慣を見直し、体重の7%減を目標に取り組んでみましょう。


肝機能障害や脂肪肝のご相談は、日進市のたがやクリニックへ

たがやクリニックでは、脂肪肝の早期発見・管理・生活指導に力を入れています。必要に応じて、肝機能検査や腹部超音波検査も行っております。
「健康診断で肝臓の数値が気になる」「脂肪肝と診断されたが何をしたらいいかわからない」など、どんなお悩みでもお気軽にご相談ください。

予約(当日予約いただけます)