過活動膀胱(OAB)は意外と多い?年齢・性別でみる発症率とその背景
過活動膀胱(OAB)は意外と多い?年齢・性別でみる発症率とその背景【日進市・長久手市・みよし市・東郷町】
頻尿は多くの方が抱えている悩み
「トイレが近い」「夜何度も起きる」「急に我慢できない尿意がくる」──こうした症状の背景にあるのが過活動膀胱(OAB:Overactive Bladder)です。
実はこの病気、年齢とともに増える傾向があり、40歳以上の日本人では10人に1人以上が症状を持つとされています。
ここでは、過活動膀胱の「疫学」、つまり“どれくらいの人に起きているのか”を、最新の研究データをもとに解説します。
過活動膀胱とは?
過活動膀胱(OAB)は、尿意切迫感(急に強い尿意を感じて我慢が難しい状態)を中心とする症候群です。
夜間の頻尿や切迫性尿失禁(尿が漏れる)を伴うこともあり、加齢や神経の調節異常、膀胱機能の変化などが関与します。
過活動膀胱の有症状率 ― どのくらいの人が悩んでいる?
これまでの疫学研究によると、過活動膀胱の有症状率は地域住民の約2~33%と報告されています。
この幅の広さは、調査方法(電話・郵送・面接など)や診断基準の違いによるものです。
日本国内の大規模調査(日本排尿機能学会OAB研究班, 2003)では、
40歳以上の男女における有症状率は12.4%(男性14.8%、女性10.6%)と報告されました。
つまり、およそ8人に1人が過活動膀胱の症状を持つことになります。
年齢・性別による違い
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・加齢とともに増加:
若年層では比較的少ないですが、50歳以降で急増します。
男性では前立腺肥大との関連、女性ではホルモン変化や骨盤底筋の緩みが影響します。 -
・女性の方が頻度が高い:
特に切迫性尿失禁を伴うタイプでは、女性に多くみられます。
一方で、高齢層では男性の頻度が女性を上回るという報告もあります。
過活動膀胱の発症率と自然経過
過活動膀胱は一度発症しても、経過の中で症状が改善したり再発したりすることがあります。
長期的な縦断研究では、
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・年間の発症率は6~40%
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・寛解率は約40%
と報告されています。
つまり「慢性的な症状ではあるが、変動しやすい」疾患です。
リスク因子 ― どんな人がなりやすい?
過活動膀胱のリスク因子として、以下が報告されています。
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・肥満・メタボリック症候群
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・排尿症状の併存(前立腺肥大など)
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・うつ症状やストレス
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・睡眠障害
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・高齢・フレイル
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・喫煙・アルコール摂取・炭酸飲料
日本のデータでは、排尿症状の併存やうつ傾向がより強い関連を示します。
生活への影響 ― QOL(生活の質)の低下
過活動膀胱の症状は、単なる「トイレの問題」ではありません。
研究によると、OAB患者の半数以上が睡眠の質の低下、活動制限、社会的ストレスを感じており、
仕事の生産性や家庭生活にも影響します。
また、羞恥心や孤立感から受診率は約20~30%にとどまるとも報告されています。
適切な治療を受ければ改善するケースが多いため、我慢せずに受診することが大切です。
日進市のたがやクリニックへご相談ください
過活動膀胱は、40歳以上の約10~15%が経験するありふれた症状です。
加齢、肥満、睡眠・メンタルの不調などが重なるとリスクが上昇します。
生活の質(QOL)に影響することも多く、放置せず早めの相談・治療が勧められます。
たがやクリニックでは、排尿トラブルに対する診察・治療を行っています。
日進市、長久手市、みよし市、東郷町エリアで気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
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