鉄欠乏性貧血とは?~貧血がなくても注意が必要な鉄不足~
鉄欠乏性貧血とは?~貧血がなくても注意が必要な鉄不足~
鉄欠乏性貧血とは
鉄欠乏性貧血は、体に必要な鉄分が不足し、赤血球を作る能力が低下することで起こる最も一般的な貧血です。
赤血球に含まれるヘモグロビンが減ることで、全身の酸素運搬能力が低下し、以下のような症状が現れます。
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疲れやすい、だるい
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めまい・立ちくらみ
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顔色が悪い
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息切れ
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動悸
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爪の変形(スプーン状)
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舌の痛みや口角炎 など
原因は、偏った食生活、消化管出血(胃潰瘍・痔など)、月経過多、妊娠・授乳などがあげられます。特に若年女性や高齢者、妊娠中の方に多く見られます。
貧血がなくても“鉄欠乏”は予後に影響する
血液検査で「ヘモグロビン値が正常」だからといって安心はできません。
貧血がなくても、体内の鉄の貯蔵(フェリチン)が減っている“潜在性鉄欠乏”の状態では、疲れや集中力の低下、持久力の低下、不眠、冷えなどの不調が現れやすくなります。
このような「隠れ鉄欠乏」は、特に女性やスポーツ選手に多く、見逃されやすい傾向があります。
鉄欠乏と心疾患の関係にも注目
近年、鉄欠乏は心不全などの循環器疾患の予後にも影響を与えることが明らかになってきました。
たとえば、慢性心不全の患者さんで鉄が不足していると、心機能の低下や入院・死亡率の上昇が報告されており、欧州心臓病学会(ESC)ガイドラインなどでも、鉄の評価と補充治療の重要性が強調されています。
その他、鉄欠乏性貧血のトピックス
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鉄不足による食欲異常(氷食症)や、舌の異常(舌炎)など、非特異的な症状に注意が必要です。
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便潜血陽性が続く方は、消化管出血による鉄欠乏性貧血の可能性も考慮しましょう。
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子宮筋腫などによる慢性的な月経過多も、女性の鉄欠乏の大きな原因です。
鉄剤との上手な付き合い方
鉄欠乏性貧血の治療には、経口鉄剤の内服が第一選択となります。
ただし、鉄剤には以下のような副作用があるため、飲み方の工夫が大切です。
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吐き気・胃のムカつき
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便秘
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便の黒色化(異常ではありません)
飲みやすくするためのポイント
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空腹時の方が吸収は良いですが、胃の不快感が強い場合は食後に服用しても構いません。
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ビタミンCを一緒に摂取すると吸収がよくなります(果物や野菜、100%ジュースなどと一緒に)。
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カフェイン(お茶やコーヒー)と同時に摂ると吸収が落ちるため、避けるようにしましょう。
治療効果の判定には時間がかかるため、少なくとも1〜3か月間は継続的な治療が必要です。症状の改善後も、体内の鉄の貯蔵を回復させるために継続服用が勧められることもあります。
気になる症状があれば早めの受診を ~日進市のたがやクリニック~
鉄欠乏は、目立つ症状がなくても日常生活の質を大きく下げることがあります。
「なんとなく体調がすぐれない」「疲れが取れにくい」と感じたら、血液検査で鉄やフェリチンをチェックすることをおすすめします。
たがやクリニックでは、鉄欠乏性貧血の診断・治療はもちろん、原因の精査や生活習慣の見直しまで丁寧にサポートいたします。
日進市・長久手市・東郷町・みよし市で鉄欠乏の相談をご希望の方へ
名鉄米野木駅からすぐの「たがやクリニック」では、地域の皆さまの貧血や体調不良のお悩みに対応しています。
健診や婦人科疾患、消化器疾患などが原因となることもありますので、まずはお気軽にご相談ください。