TOPへ

ブログ

長引く咳、もしかして咳喘息かも? 〜咳だけが続く“隠れ喘息”にご注意を〜

内科

長引く咳、もしかして咳喘息かも? 〜咳だけが続く“隠れ喘息”にご注意を〜

最近、「風邪は治ったはずなのに咳だけが何週間も続く…」というお悩みで来院される方が増えています。

その原因のひとつとして注目されているのが、咳喘息(せきぜんそく)という病気です。
今回は、この「咳喘息」について、わかりやすく解説いたします。


◆ 咳喘息とは?

「喘息」と聞くと、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴(ぜんめい)や、呼吸が苦しくなるイメージを持たれるかもしれません。
しかし、咳喘息は咳だけが唯一の症状で、喘鳴や呼吸困難は伴いません。

そのため、「風邪の後に咳が続いているだけ」と思い込み、受診が遅れてしまうケースもあります。
実際、咳喘息は8週間以上咳が続く「慢性咳嗽(まんせいがいそう)」の原因として、日本で最も多い疾患です。


◆ どんな症状が特徴?

  • 咳が夜間や早朝に悪化しやすい

  • 痰はほとんど出ない(または少量で透明)

  • 季節の変わり目や冷たい空気、花粉、タバコの煙などで悪化する

  • 一般的な咳止め(市販薬など)ではなかなか治らない

このような特徴があり、長期間の咳が続くことで、睡眠不足や疲労感、QOL(生活の質)の低下につながることもあります。


◆ 咳喘息の原因と正体

咳喘息は、気道(空気の通り道)がアレルギーや炎症によって過敏になっている状態です。
この過敏になった気道が、わずかな刺激(たとえば冷気やホコリ)で咳を誘発してしまうのです。

また、一部の方は経過の中で喘鳴が出現し、典型的な喘息に進行することもあります。
そのため、早期発見・早期治療が非常に重要です。


◆ 診断と治療法

診察では、まず肺の音を聴き、必要に応じてレントゲンや呼吸機能検査などを行います。
咳喘息は気管支拡張薬(吸入薬)によく反応するという特徴があるため、治療を試してみて咳が改善すれば診断につながります。

治療では、以下のようなお薬を使用します:

  • 吸入ステロイド薬

  • 吸入β2刺激薬(気道を広げる薬)

  • 抗アレルギー薬 など

多くの方が、早い段階で咳が軽減し、日常生活が改善されます。


◆ 咳が続いたら、我慢せずにご相談を

「風邪が長引いているだけかも」と放っておいた咳が、実は咳喘息だった…ということも少なくありません。
特に2週間以上咳が続く方は、お早めにご相談ください

たがやクリニックでは、咳の診療にも対応しております。
患者さまのお話を丁寧に伺い、症状に合わせた最適な治療をご提案いたします。


予約(当日予約いただけます)