🐝 ヒアルロニダーゼと蜂アレルギーの意外な関係──安全な注入治療のために
ヒアルロニダーゼと蜂アレルギーの意外な関係──安全な注入治療のために
ヒアルロニダーゼと蜂アレルギー
ヒアルロン酸を簡単に溶かせる薬剤、というイメージでヒアルロニダーゼを捉えている方は少なくありません。
しかし、実はヒアルロニダーゼ自体にもアレルギー反応を起こすことがあり、その中のひとつに蜂アレルギーが含まれます。蜂やスズメバチの毒にはヒアルロニダーゼを含む複数のアレルゲン(タンパク質)があり、過去に刺傷で大きな反応やアナフィラキシーを経験した方は、ヒアルロニダーゼ使用でも重篤なアレルギー反応が起こるリスクがあります。
蜂アレルギーとリスクの数値
2021年に『Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology』で報告された研究によると、過去に大きな局所反応(LLR:Large Local Reaction)を経験した方は、次の刺傷でアナフィラキシーを起こすリスクが約5%。一方、過去に蜂やスズメバチで実際にアナフィラキシーを経験した方では、そのリスクは60%まで上がります。また、蜂とスズメバチの両方でアレルギー反応がある場合、ヒアルロニダーゼ自体がアレルゲンである可能性がさらに高いとされています。
このように、ヒアルロニダーゼの使用にあたっては、患者さんの既往歴やアレルギー歴を正確に把握することが非常に重要です。
当院のカウンセリング体制
当院では、ヒアルロン酸注入やヒアルロニダーゼ使用前のカウンセリングで、以下の点を丁寧に確認しています。
- ・過去に蜂に刺された経験や症状の詳細
- ・薬や食品のアレルギーの有無
- ・過去の注入や薬剤でのアレルギー反応の有無
- ・既往歴、内服歴、美容施術歴
など。
自己判断だけに頼らず、症状の経過や重症度を確認することで、リスクを適切に評価しています。患者さん一人ひとりの体質やアレルギーリスクを考慮し、安全な施術プランを立てることができます。
皮内テスト(IDT)の活用と注意点
ヒアルロニダーゼアレルギーを確認するために、皮内テスト(Intradermal Test: IDT)が行われることもあります。
ただし、過去にアナフィラキシーを経験した方に行うと、逆に重篤な反応を起こす危険性があります。
文献によれば、皮内テストに使用されるヒアルロニダーゼ濃度は15〜150単位/mL、注入量は0.02〜0.05 mLで5mm程度の膨疹を作る量が目安とされています。しかし、濃度や反応の解釈にはばらつきがあり、標準化されていません。当院で皮内テストをする場合は150単位/mL、0.05cc以下の量で行っています。
安全性へのこだわり
当院では、皮内テストや緊急対応の準備を整え、施術中も常に安全を監視しています。万が一の反応が起きた場合でも、迅速に対応できる体制を整えているため、患者さんは安心して治療を受けていただけます。
美容医療で大切なのは、見た目の変化だけでなく、「安全に施術を受けられること」。
当院では、丁寧なカウンセリングと安全管理を徹底することで、リスクを最小限に抑えるようにしております。
患者さん一人ひとりに合わせた安全な治療を行うことが、私たちの最も大切な使命です。ヒアルロン酸注入をご検討中の方は、ぜひ安心してカウンセリングにお越しください。
🏥たがやクリニック
注入治療(ヒアルロン酸、ボトックス®︎、肌育注射)専門、内科併設
愛知県日進市米野木台5丁目108番地(米野木駅から徒歩7分、駐車場17台)
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