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注射じゃないインフルエンザワクチン「フルミスト」とは?~日進市・長久手市・みよし市・東郷町・名古屋市での新しい選択肢~

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注射じゃないインフルエンザワクチン「フルミスト」とは?~日進市・長久手市・みよし市・東郷町・名古屋市での新しい選択肢~

新しいインフルエンザワクチン

昨年、日本でもようやく点鼻型インフルエンザワクチン「フルミスト®」が導入されました。
第一三共株式会社から発売されたこのワクチンは、注射ではなく鼻にスプレーするタイプで、小児を中心に新しい予防接種の選択肢として注目されています。

従来の注射ワクチンに抵抗があるお子さまや保護者の方にとっても、安心して接種を検討できる方法です。ここではフルミストの特徴やメリット・注意点について説明します。

フルミスト®点鼻液を接種される方・保護者の方へ

フルミスト®点鼻液の予診票

 

フルミストの仕組み

フルミストは「弱毒化生ワクチン」に分類されます。
自然感染に近い形で鼻粘膜から免疫を誘導する仕組みで、以下の特徴があります。

  • ・鼻の粘膜で免疫が成立:侵入門戸となる鼻・喉の粘膜にIgA抗体をつくり、感染そのものをブロックする効果が期待されます。

  • ・全身の免疫も獲得:血液中にもIgG抗体がつくられるため、感染後の重症化を防ぐ効果もあります。

  • ・下気道では増殖しない:低温環境でのみ増えるウイルスを利用しているため、肺や気管支で強い症状を起こすリスクは極めて低いとされています。

 

海外での実績と日本での導入

  • アメリカでは2003年、ヨーロッパでは2011年からすでに使用されており、安全性・有効性が確立されたワクチンです。

  • 日本では2023年に承認され、2024/25シーズンから本格的に接種が始まりました。

 

フルミストと従来の注射ワクチンの違い

項目 フルミスト(経鼻生ワクチン) 注射型(不活化ワクチン)
免疫のつき方 粘膜免疫+全身免疫 主に全身免疫
感染防御効果 特に小児で有効 重症化予防が中心
接種方法 鼻にスプレー 皮下注射
接種回数 年1回で十分 12歳以下は2回必要
効果の持続期間 約1年間 約5か月間
痛み なし あり

 

接種対象と回数

  • 日本での承認対象:2歳~18歳

  • 接種回数:毎年1回で十分(海外では一部2回接種のケースもありましたが、日本では1回で免疫が得られると確認されています)

 

接種できない方

フルミストは便利なワクチンですが、すべての方に接種できるわけではありません
次のようなケースでは適応外となります。

  • 2歳未満または19歳以上

  • 重度の喘息、1年以内に喘息発作があった方

  • 卵アレルギーやワクチン成分に強いアレルギーを持つ方

  • アスピリン内服中の方

  • 免疫抑制状態や妊娠中の方

  • 37.5℃以上の発熱がある方

 

副反応について

  • 接種後に鼻水・鼻づまり・咽頭痛・軽い咳など、かぜに似た症状が3〜7日ほど出ることがあります(約30~40%)。

  • 数%の方に発熱が見られます。

  • まれにじんましんやアナフィラキシー、神経系の副反応が報告されていますが、頻度は極めて低く、注射ワクチンと同程度と考えられています。

 

フルミストのメリット

  • 注射の痛みがない

  • 鼻粘膜での免疫誘導により、感染そのものを防ぎやすい

  • ワクチン株と流行株が多少異なっても発症を軽減できる

  • 効果が約1年持続する

  • 特に小児で予防効果が高い

 

フルミストのデメリット

  • 接種できる年齢が限られている

  • 接種後に一時的なかぜ様症状が出ることがある

  • 生ワクチンであるため、基礎疾患や免疫抑制状態の方には使えない

  • 自費接種となり、注射型ワクチンより費用が高い場合がある

 

 

フルミストをご検討の方、日進市のたがやクリニックへご相談ください

点鼻型インフルエンザワクチン「フルミスト®」は、注射の痛みがなく、自然感染に近い免疫を誘導できる新しいワクチンです。
対象年齢や基礎疾患の有無など、いくつか注意点はありますが、小児や注射が苦手な方にとって有力な選択肢となります。

たがやクリニックでも、フルミスト®を含めたインフルエンザ予防接種についてご相談いただけます。

【2025年度インフルエンザ予防接種のご案内|日進市のたがやクリニック】のページへ

インフルエンザワクチンQ&A